2007 1116

自転車サーフトリップB

箱根峠で野営

箱根湯本温泉、塔ノ沢温泉、大平台温泉、強羅温泉、宮ノ下温泉、小涌谷温泉、芦ノ湯温泉、芦ノ湖温泉、を通りぬけて芦ノ湖畔を目指す。
R1 874km.JPG
宮ノ下から6〜8kmで芦ノ湖につくはずだ。しばらく登ったところで尋ねるとあと6km登ればゆるいくだり坂になると聞いてパワーも復活。しかし、ここから更に勾配は急になった。登っても登っても山がでてくる。これでもかというばかりの山が襲い掛かってくる。日没までに芦ノ湖に着きたいと願いひたすら登る。
登りがあまりにもつらいので先をみるのは一瞬だけ。あとはずっと足元をみていた。またその途中の光景もシーンを変えてくるのが楽しかった。最初は枯葉だったのだがやがて栗が混ざってきたり、くるみだったり、どんぐりだったりして路面も旅を楽しませてくれる。シマヘビやマムシのミイラに時々はっとさせられることもあった。
宮ノ下から1km、学校下バス停で休憩。ここには温泉小学校があるのだ。彫刻の森も近い。更に1km進むと有名な小涌園がある。そのさき1.5km地点に恵明学園小がある。コーナー沿いにあり駅伝競走でよく見かける中継点だ。ここから1.5kmほどゆるい坂と急コーナー急勾配が混ざりながらおそってくる。長い坂は気力。急な坂はパワーが必要。諦めてはいけない。
更に進んでいくと上二子山1091mの尾根右側を過ぎる。そのとなりが箱根山(二子山)だ。国道1号の最高地点874mに来た。この時点であたりはすでに薄暗かった。17:30頃だと思うが、あたりの景色をみている余裕はもうない。
雨が心配だ、降る前に野営したい。ここから芦ノ湖までくだりが続く、しかし急ぐのも危険だ。六地蔵のあたりからぽつぽつ雨が降りてきた。双子茶屋でモンベルのレインコートに着替える。ジェットパイロットのグローブは雨によい感触だった。
下り坂でブレーキを続けるのにも筋肉に負担がかかる。スピードは出してはいけない。
ゆっくり進んで元箱根に到着、食料と4Lの水は空になっていた。とりあえず野営ポイントを探す。湖畔は野営禁止らしい。キャンプ場まで1時間。食堂は全て閉店、とりあえずコンビニで食事。とても寒いのでカツプラーメンで暖をとる。
まだ進むことにした。目標は6km先の道の駅。湖畔の関所を過ぎたあたりからまた登りが続く。途中のやすらぎの森で寝てしまいたくなったが、気力で登る。
道の駅箱根峠についたのは20時を過ぎていた。ここは暗く、人の気配もないので気持ち悪かった。警察への通報を恐れたので2km先のエコパーキングを目指す。この距離に90分費やした。疲労で考える力はないのだが、諦めるわけにはいかない。ただ登るだけ、エネルギーをセーブして登る。いつもそうなのだが、ゴール前200mというのはとてもつらい。

エコパーキングは箱根峠信号から100m下った右側に面していた。下ってからのゴールは気持ちが軽くなるものだ。つらいことも忘れてしまう。
21:30箱根峠到着。エコパーキングの東屋でテントを張り雨をしのぐ。トラックばかりの大駐車場で寝るのは安心だ。荷物をテントにいれて安心して眠る。車の音になれるのに時間は必要なかった。テントに敷くマットがないので、ウエットスーツを敷いてコンクリートからの冷えを防いだ。
箱根峠の朝.JPG
エクストリームというのは戦略と最後の詰めがポイントになる。組み立てを間違えてしまうとUターンになるのだろう。あきらめないという精神力がこれを支えてきた。


続く・・・


Photo:Kurebayashi